【症例集】喉のつまり感(咽喉頭異常感症)
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三宮 鍼灸 喉のつまり|神戸の鍼灸 翠風院 症例と東洋医学的解説
三宮 鍼灸 喉のつまり・咽喉頭異常感症・ヒステリー球・自律神経・ストレス・東洋医学
病院では異常がないのに喉の不快感が続く――そのような症状は、東洋医学では「気の滞り」や「自律神経の乱れ」によるものと考えます。 鍼灸 翠風院では、心身の緊張をゆるめ、深い呼吸を取り戻す施術を行っています。
喉のつまり感とは ― 西洋医学と東洋医学の両面から
西洋医学では、明確な器質的異常がないにもかかわらず「喉の詰まり」「異物感」「締め付け感」が続く状態を 咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼びます。 ストレス・自律神経の乱れ・逆流性食道炎・甲状腺機能の変化・更年期などが関連するとされ、 多くの方が検査で「異常なし」と言われながら苦しんでいます。
東洋医学では、この症状を「梅核気(ばいかくき)」と呼びます。 梅の種のようなものが喉に詰まった感じがするという意味で、 主にストレスや情緒の抑圧、体の冷え、気の滞りによって起こると考えられています。 「気」は体内のエネルギーの流れであり、これが上半身にこもると喉や胸の詰まり、息苦しさ、動悸などが出現します。
咽喉頭異常感症に関する医学情報:Doctors File「咽喉頭異常感症とは」
実際の症例紹介
【症例1:30代女性/喉のつまり感・息苦しさ・背中の張り】
主訴:喉のつまり感(咽喉頭異常感症)、首~背中の張り、胃のムカムカ
現病歴:育児と仕事の両立によるストレスが続き、ある日突然、喉から胸が詰まる感覚とともに声が出なくなる。 その後声は戻るが、喉の圧迫感と息苦しさが残り、人混みや電車でも発作的に詰まりが出て外出が困難に。 他の治療を受けるも改善が乏しく、当院を訪れる。
施術経過:初診では上半身の緊張が強く、足腰の力が弱っている状態。 足のツボで「下」を支え、背中の経穴で「上」の緊張を緩める施術を行う。 初回から呼吸がしやすくなり、2〜3回で喉の詰まりが軽減。 継続的に施術を行うことで一人で運転・外出ができるようになり、家族旅行も楽しめるようになる。 現在も季節の変わり目やストレスが強い時期に定期的にメンテナンス施術を継続中。
※症例は一例であり、すべての方に同様の効果を保証するものではありません。 体質・生活習慣・精神的要因により経過は異なります。
ご予約・ご相談はこちらから
喉のつまりや息苦しさにお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
当院では、初回カウンセリングとLINEでのご相談を無料で受け付けています。
完全予約制・個室対応で、静かな空間の中でゆっくりとお話を伺います。
喉のつまり感と東洋医学 ― 深い理解と整え方
東洋医学では、喉の詰まりを「気・血・水」のバランスの乱れとして捉えます。 特に精神的緊張や不安、感情の抑圧によって「気」が上昇し、喉に滞ることで生じると考えます。 その背景には、肝・脾・腎など内臓の働き、そして呼吸や姿勢のアンバランスも関係しています。
1. 肝(かん)と気滞 ― ストレスが引き起こす喉の閉塞感
肝は気の流れを司り、感情の影響を受けやすい臓です。 怒りや緊張、不安などが続くと「肝気鬱結(かんきうっけつ)」と呼ばれる状態になり、 気が上半身にこもって喉・胸・みぞおちに詰まりを感じます。 鍼灸では、太衝・内関・合谷・百会などを用い、気の流れを穏やかにし、深い呼吸を取り戻します。
2. 脾(ひ)と湿 ― 胃の不快感を伴う喉の違和感
胃もたれや胸のつかえを伴う喉のつまりは、脾胃(消化器)の働きが低下しているサインです。 食生活の乱れ、冷たい飲食物の摂りすぎ、ストレスなどが原因で「湿(しつ)」が生じ、気の巡りを妨げます。 これは脾虚湿阻(ひきょしっそ)と呼ばれ、足三里・中脘・豊隆などで消化機能を整え、湿を除きます。
3. 腎(じん)と恐 ― 不安感・呼吸の浅さとの関係
腎は生命エネルギーと恐の感情を司り、不安やプレッシャーが続くと腎の働きが弱り、 呼吸が浅くなり、胸の締め付け感を強く感じるようになります。 命門・腎兪・太谿などを温め、下半身を安定させることで、喉の違和感が軽減していきます。
4. 気逆(きぎゃく)型 ― 吐き気や動悸を伴うケース
気の流れが逆方向に上がる「気逆」は、動悸・息苦しさ・吐き気を伴うことがあります。 これは「上実下虚(じょうじつかきょ)」と呼ばれる状態で、上半身に熱と緊張がこもり、下半身の力が弱っているパターンです。 鍼灸では、百会・内関・三陰交・関元などを用いて気の流れを下げ、体全体を落ち着かせます。
5. 心身一如 ― 心と身体を切り離さない考え方
東洋医学では、心と身体は一体(心身一如)と考えます。 喉の詰まりは単に筋肉や神経の問題ではなく、「言いたいことを飲み込んでいる」「頑張りすぎて息を詰めている」など、 心のサインとして現れることも少なくありません。 鍼灸は、その緊張をやさしく解き放ち、内側から呼吸と感情の流れを整えます。
6. 日常でできるセルフケア
- 深呼吸をゆっくり5回、喉ではなくお腹で呼吸を意識
- 寝る前に首・鎖骨・胸を軽くマッサージし血流を促す
- 冷たい飲み物を避け、温かい白湯やスープを摂る
- 感情を抑えず、安心できる人に話をする
- 呼吸を止めない程度の軽いストレッチを毎日行う
鍼灸による喉のつまりの施術は、「詰まりを取る」だけではなく、 呼吸と感情の調和を取り戻すことを目的としています。 身体と心が自然に連動し、再び“深く息を吸える”感覚を思い出すことで、 多くの方が長年の不快感から解放されています。