【症例集】新型コロナ後遺症(COVID-19罹患後症状)

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三宮 鍼灸 コロナ後遺症|倦怠感・息切れ・集中力低下などに対する東洋医学の整え

新型コロナ感染の後から続く倦怠感・息切れ・集中力の低下・食欲不振
神戸三宮の鍼灸 翠風院では、東洋医学の考えをもとに、身体の巡りと力の偏りを整え、心身が穏やかに落ち着くよう導きます。

症例①:新型コロナ後遺症による全身の倦怠感・食欲不振(20代男性)

新型コロナ後遺症による倦怠感でうつ伏せになり力が入らない男性の様子|三宮 鍼灸 翠風院

主訴: 全身の強い倦怠感、食欲不振、朝起きられない、歩行困難

経過

2年前の夏にCOVID-19に感染。回復後も強い倦怠感と食欲不振が続き、少し動くだけで息切れが出る状態に。
医療機関で「補中益気湯」を服用し徐々に体調が落ち着き、3か月後に復職するも週3日勤務が限界でした。
来院の2週間前、風邪をきっかけに再び症状が強まりました。

  • 強い全身のだるさ
  • 食欲低下(食事量が半分以下)
  • 朝起きられず再び寝てしまう
  • 歩行が遅く、階段で息切れ

東洋医学的な見立て

体を支える「脾(消化吸収)」と、生命の根を司る「腎」が共に弱り、全身に力が巡りにくい状態と考えました。

施術内容

  • 腎を養うツボにお灸
  • 脾の働きを助けるツボに鍼を一本
  • 首・肩・腹部の緊張を和らげる打鍼術
  • ご自宅でのお灸の養生も併用

経過

  • 施術直後から体のこわばりがやわらぐ
  • 継続するうちに食欲が少しずつ戻る
  • 6回目頃から歩行が安定し、「地に足がつく」感覚が出てくる
  • 18回目には体調が落ち着き、無理なく復職できるようになった

現在も月に一度の施術で、体調の安定を保たれています。

症例②:新型コロナ後遺症による倦怠感・集中力の低下(40代女性)

主訴: 倦怠感、頭の重さ、集中できない、気力が出ない

経過

昨秋に新型コロナ感染。高熱後に熱は下がったものの、強い倦怠感が続き、家事も困難に。
感染から3か月経っても起き上がるのも辛く、パート勤務を休職。紹介を受けて来院されました。

東洋医学的な見立て

脈は弱く、声にも力がなく、全身の活力が低下していました。
気を生み出す「脾」の働きが落ちていると考えました。

施術内容

  • 脾を整えるツボに鍼を一本
  • 全身の巡りを観ながら体力を養う施術を継続

経過

  • 施術を重ねるごとに脈の力が増し、声に張りが出てくる
  • 起きていられる時間が少しずつ長くなる
  • 25回ほどで日常生活を無理なく送れるようになる
  • その後、パート勤務を再開

※記載の症例は個人差があり、すべての方に同じ経過を保証するものではありません。
状態・体質・生活習慣によって変化の現れ方は異なります。

新型コロナ後遺症と東洋医学の考え方

新型コロナ感染後も、倦怠感・咳・息切れ・頭痛・集中力の低下・味覚や嗅覚の変化などが続くことがあります。
これらは「Long COVID(ポストコビッド症候群)」と呼ばれ、WHOでも3か月以上続く持続症状として報告されています。

東洋医学では、感染により「正気(体の抵抗力)」が弱まり、体に邪気が残ってバランスが崩れると考えます。
特に以下のような体質の傾向が見られます。

1. 気虚(体の力不足)

疲労・息切れ・倦怠感が続く。脾肺の気が不足し、体を巡らせる力が弱まっている状態。

2. 陰虚(潤いの不足)

咳や喉の乾燥、微熱が長引く。発熱などで津液(体の潤い)が減少し、火照りや寝汗が出る。

3. 心脾両虚(精神的な疲れ)

不眠・集中困難・気分の落ち込みなど。長引く不安や疲れで心と脾がともに弱っている状態。

鍼灸による整え

鍼灸では、体質や症状に合わせて肺・脾・腎を中心に整え、気血水の巡りを良くしていきます。

  • 倦怠感・息切れ: 太白・公孫・脾兪などで気を補う
  • 咳・喉の乾燥: 太淵・列欠で肺を潤す
  • 頭痛・集中力の低下: 照海・太谿で腎を養い上下の流れを整える
  • 不眠・不安感: 神門・心兪・三陰交で心と脾を調和

これらの施術は、体がもつ自然な回復の力を高め、心身の調和を取り戻していくことを目的としています。
十分な休養、呼吸、睡眠、栄養とあわせて行うことで、穏やかに整っていきます。

よくある質問

Q. 鍼灸で治りますか?
A. Long COVIDは原因や経過がさまざまで、「完治」を断言することはできません。
ただし、倦怠感や眠り、集中のしやすさなどが落ち着いていく例は多く見られます。
継続的な施術と日常生活の見直しが大切です。

Q. 医療機関との併用は可能ですか?
A. はい、併用いただけます。必要に応じて内科や呼吸器科、心療内科などとあわせてお受けください。
鍼灸は薬の副作用がなく、体を整える補助的な方法として用いられます。

まとめ

新型コロナ後遺症は、外からは分かりにくい不調が続くため、ご本人も周囲も悩まれることが多いです。
鍼灸 翠風院では、一人ひとりの体質を丁寧に見立て、身体の巡りと力の偏りを整えることで、
自然に調和を取り戻していくお手伝いをしております。
「疲れが抜けない」「息が上がる」「集中できない」などのお悩みがある方は、どうぞご相談ください。

※本ページは一般的な健康情報の提供を目的としています。施術の効果には個人差があります。

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